舞台概要
One on One 36th note『呼吸する島』
ストーリー
吟遊詩人は語る海の向こうに見えるあの島について…
魔法使いのソウマは浜辺に倒れていたエマと出会う。
エマは一切の記憶を失っていた。
エマの記憶を取り戻すため、2人は島へと渡り、記憶を取り戻すために奔走していくのだが…。
失った記憶、魔物の出現、この島の歴史と過去—様々な事柄が絡み合う中、エマの記憶を取り戻すことはできるだろうか。
One on One 公式ホームページ

日程、配信情報など
【日程】2025年6月19日(木)~6月29日(日)
【劇場】赤坂RED/THEATER
【配信情報】シアターコンプレックス独占配信
配信日程
配信①:6月28日(土) 13:00公演【全景映像】
配信②:6月28日(土) 17:00公演【スイッチング映像】
見逃し配信 2025年7月13日(日)23:59まで
感想
日付、座席
【日付】6月26日(木)14:00~(マチネ)公演
【座席】 舞台後方中央
舞台から離れていてどう見えるか不安でしたが、段差があり、座席数が173席と小規模の劇場だったのでキャストさんたちとの距離も近く感じられました。
後方の方でしたが、むしろ客席に語り掛ける演技をするときはこちらに視線が向いているので顔が良く見れました。
舞台上と客席とが一体感を感じる劇場でした。
双眼鏡も必要ないくらい楽しめました(筆者の視力は左右1.0前後です)。
感想
ストーリー
あらすじをさらっと見る程度で臨んだ今回の舞台でしたが、本当にいい作品でした。
ネタバレ一切なしで一度見てほしいです(以下ネタバレを含む感想になります)。
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ストーリーの序盤は冒険譚のようでエマの記憶を取り戻すために島まで行くという目的もあり、2人が物語の中心として引っ張っていくのかと思いながら見ていました。
ストーリーが進むにつれどのキャラクターにも背景があり、そのキャラの過去や自分の信念を歌にしていたところはいいなと思いました。
とても驚いたのが、あるキャラとあるキャラが同一人物だったと気づいたことです。
何となく中盤まで、このキャラと何となく似ているなと思っていたキャラが、最後に伏線回収で同じだと気づいた時は本当に驚きました。
中盤から終盤にかけての伏線回収はこれまで謎だった部分が、パズルのピースの様にかちりとはまってこんなにきれいに物語に収まるのかと思いました。
特にストーリーで好きなシーンはイベルとエヴァの過去のシーンです。
このシーンはエマが舞台中央後ろの台の上に立ち小箱を開け、過去を思い出しながら回想するシーンです。
イベルがエヴァの話を幸せそうに聞くシーンはこちらもつい微笑んでしまいました。
エヴァも自分が好きな考古学の話をイベルに一生懸命に伝えているところに、オタク気質を感じつつ、感情たっぷりに語るエヴァにもニコニコしてしまいました。
ですが、ここれ忘れてはいけないのが過去を思い出しているエマです。
実際にはエマとしては登場するシーンではないですが回想という形で、台の上で2人の様子を見ています。
その時の表情が本当に良かったです。
アベルのことが本当に好きだったのだなと思ったし、失った過去のことを思うと、思い出すとつらいよなとも思ういいシーンです。
このエマとエヴァの2人についても舞台を見て真相を知ってほしい点の一つです。
前半と後半で物語が表と裏のようにひっくり返る面白い舞台でした。
キャスト
イベル/魔物役 泰江和明さん
前のOne on One の舞台やミュージカル『No.6』でお見かけしていました。
その時の役とはまた一味違って目が離せなかったです。
先ほどストーリーのところで少し書いたように回想シーンの演技の時の笑顔が優しかったのを今でも覚えています。
一方、魔物の時ははっとするくらい重力を感じさせない身のこなしの中に、魔物になり苦しんでいる様子を体全体で表現していました。
身体能力のすごさに驚きました。
エマ役 髙橋果鈴さん
前半と後半でイメージがガラッと変わりました。
最初の記憶を失って浜辺で倒れているシーンは、ぼんやりと流れに身を任せてるイメージがありました。
でも島に渡って、記憶を取り戻す前のメイと話しているシーン(図鑑で植物を調べているシーン)あたりになると表情が明るくなります。
記憶を取り戻して過去の記憶がよみがえるシーンでのエマは1歩も動いていないのにつらさを全身で表現しています。
そこの表情の移り変わりや感情の変化が本当に素敵でした。
歌唱
皆さん歌が綺麗で幸せな時間でした。
『ローズマリー~海のしずく~』
劇中歌の『ローズマリー~海のしずく~』は公式YouTubeにキャスト全員で歌った動画があるのでこちらもぜひご覧ください。
舞台を見てない状態と見た後、両方聞くと印象ががらりと変わります。
舞台が終わった後もこうして聞くことができるのはありがたいです。
皆さんの歌っている姿にキャラクターが重なります。
歌いだしはメイ役の田宮華苗さんです。
柔らかい歌声が会場いっぱいに広がっていて、この歌もですが他の歌も素敵でした。
アンナの歌
曲名はわからなかったのですが、千田阿紗子さんが歌うアンナのソロ曲が好きです。
歌詞が素敵で、この舞台の演出などを担当されている浅井さやかさんが作っています。
『選んだのは自分』
ここにメッセージ性がとても込められていてアンナの歌い方(セリフの言い方)が、語るようにも自分に言い聞かせているようにも見えてここのシーンがとても好きでした。
まとめ
One on Oneの作品は面白い!となったし、舞台が好きだなとも思った1日でした。
私はラストで少し泣いてしまったのですが、終演後に鼻をすする音が聞こえ同じ空間で同じ体験をしたことに、仲間意識を感じてしまいました。
終演後、入り口でスタッフの方がローズマリーの種の入ったノベルティを配っていました。
表の言葉は劇中歌の歌詞です。


舞台終演後に宣伝付きの舞台のカード(名刺サイズのBlu-ray予約などが書いてあるもの)をもらったことはあるのですが、こういったものをもらうのは初めてでした。
思えば、劇場に入るときもチケット確認の際に、ローズマリーの香りのついた石も置いてありました。
細部にまでこだわっていて、最後までほっこりしてしまいました。
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